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化野念仏寺~京都の紅葉2010

化野念仏寺

京都もここ数日で急に冷え込み冬の始まりを感じる気候になってきた。

紅葉もいよいよ見頃。今年は奥嵯峨を中心に紅葉狩りをしてきた。まず一つ目は化野念仏寺。

「化野」は「あだしの」と読む。同じ嵯峨野といっても嵐山と違い交通の便はあまり良くないが地図で見た印象ほど遠くないので(けっして近くはないが)時間に余裕があれば駅(嵐山・嵯峨野)から歩いて行くのも悪くない。

化野念仏寺化野念仏寺

門に続く階段下から見上げると紅葉のグラデーションが日に透かされて綺麗。

門をくぐり、よく手入れされた庭園を抜けると仏舎利塔(納骨堂)が見える。

化野念仏寺化野念仏寺

化野は古来、葬送の地であった。元々は風葬であったため、そこかしこに野ざらしになった遺骨が散乱するところだったらしい((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

その後土葬になり石仏石塔が奉られるようになる。

明治中期、何百年の月日を経て無縁仏となり山野に埋没するようになった石仏たちはこの念仏寺の境内に集められた。

それがコレ!

化野念仏寺

整然と並んだ石仏石塔の姿を空也上人の地蔵和讃なぞらえて「西院の河原」と呼ばれる。

「西院」は「さいいん」でなく「さい」と読む。そう「賽の河原」のこと。
無機質な青白い石たちと紅葉の赤のコントラストがなにやらおどろおどろしい。

京都には古くから西院の河原にまつわる伝説がありますが、長くなるので割愛。
興味のある方はどうぞ→「西院の河原伝説」を検索

化野念仏寺化野念仏寺

西院の河原を見守るように地蔵堂が建っている。

他に茅葺きのお堂にまつられた水子地蔵、竹の小径を抜けると六面体地蔵がまつられている。

化野念仏寺化野念仏寺

化野念仏寺は他の京都の観光寺院と違いなんとなく空気が重い。観光客も多く風景も美しいのだが葬送の地であった歴史の重さだろうか、これほどあの世に対峙するリアリティを感じるところはない。このように感じるのは僕だけではないはず。

化野の「あだし」は本来「はかない」「むなしい」を意味するという。冬に向かう晩秋のほんのひと時だけ美しく色づく紅葉もまた「あだし」なのだろうか。

化野念仏寺